単一磁束量子時間測定回路と超伝導ストリップイオン検出器を用いた超伝導質量分析システムの実装と評価

摘要

我々は高感度超伝導ストリップイオン検出器（SSID，superconducting strip ion detector）と高分解能単一磁束量子時間測定回路（SFQTDC，Single-flux-quantum time-to-digital converter）を組み合わせた超伝導質量分析システムを研究·開発している．SSIDを用いることでタンパク質などの重たい．分子であっても検出感度を落とすこと無く検出することが可能になる．また，時間測定回路にSFQ回路を用いることでpsオーダーの高分解能時間測定が可能となる．両回路を組み合わせた超伝導分析システムを構築することでより高分子のより高精度な質量分析が実現される．我々は現在，SSIDとSFQ回路をそれぞれ異なる冷凍機に実装し，様々な高分子を対象として飛行時間分析実験を行っている．今回，両超伝導回路を一つの冷凍機に実装し，分子の飛行時間測定を行った．これまでの成果のまとめと現在の研究の進展について報告する．