中性塩化物溶液中におけるSUS304ステンレス鋼の局部腐食に伴う電気化学ノイズの発生挙動土屋由美子

摘要

すき間または応力を付与した種々の試験片の電位ノイズ測定結果より，すき間腐食，SCCともに発生時には間欠的な鋭い波形を示し，成長時には連続的な微小波形を示すことが分かった。 すき間腐食またはSCC発生を示す電位ノイズの方向は電位およびpH依存性を示し，pH5.6において－100mV（vsSCE）近傍では卑方向，－300mV（vs．SCE）以下では貴方向ノイズとなる。 しかし，pH12では，－300mV（vs.SCE）においても卑方向ノイズとなった。 電位と電流の同時測定を行ったスクラッチ試験よりぅ卑方向ノイズは新生面におけるアノード電流の増加と皮膜容量の充や放電が支配的となり，貴方向ノイズでは新生面におけるカソード電流の増加が支配的になることが明らかになった。