ヴイエトナム炭鉱ガス安全管理センタープロジェクト--国際協力事業団プロジェクト方式技術協力

摘要

本プロジェクトを実施しているクァンニン炭田地帯は，ハノイ東方のクァンニン省の東西約150killにわたって南北約15km前後の幅で帯状に広がっている。その中間には，世界遺産に登録された景勝地ハロン湾も位置している（写真5）。 このような観点から炭鉱開発に当たっては安全·保安の確保のみならず，環境の保全も強く求められている。 これらの点では，我が国が経験してきた石炭生産に付随する諸問題について協力できる点は多くある。 本JICAプロジェクトのほか，経済産業省などが主導している炭鉱関係プロジェクトも数件ある。 これらのプロジェクトとの有機的な連携をすることもヴィエトナムの炭鉱産業の発展には不可欠と考えている。 炭鉱ガス安全管理に係わるプロジェクトとして，関係する技術分野は多々あり，派遣されている長期専門家の守備範囲のみではプロジェクト目標を達成することは不可能である。 このプロジェクトの実施に当たっては,短期専門家の派遣や国内支援に当たって国内の行政機関，関係協会，炭鉱会社 大学·研究機関等々多くの協力を得ている。 また，炭鉱関係のJICA技術協力としては，当プロジェクトと同時期にインドネシアで発足した「石炭鉱業技術向上プロジェクト」も現在平行して推進されている。 この2つの炭鉱関係プロジェクトの専門家やカウンターパートの坑内活動における安全確保を目的としてJICA本部に「炭鉱プロジェクト安全評価委員会」が設けられており，この委員に選任されている大学，監督部，炭鉱·鉱山会社の方々の助言·指導も得ながらプロジェクトを進めている。 この機会を借用してこれら関係者に謝意を表すとともに，今後引き続きプロジェクトへの支援を期待する次第である。