大きなき裂損傷が発生した鋼桁橋の全体残存耐荷力に関する解析的検討

摘要

わが国は1970年代前半をピークに数多くの橋梁が建設され，1966年から1980年までの15年間に架設された橋梁の数は支間15mを超えるものだけでも6万橋に及ぶ．これらは，現存する橋梁の約半分に相当する．この6万橋のうち，およそ3万5千橋が鋼橋であり，近年，国内外において鋼橋の損傷事例が数多く報告されている．特に，鋼橋では老朽化につれて腐食とともに疲労き裂が発生する事例が多い．