特殊高強度ボルトを用いた角形鋼管柱·H形梁接合部の力学的性状に関する研究--その2 柱面補強に関する検討

摘要

パドルボルトを用いた箱形断面柱とH形梁の接合部について実大実験を行った本研究において以下のことが明らかになった。 1）改良したパドルボルトを用いることによって、改良前に見られた梁に作用するせh断力によるパドルボルトの2次曲げの影響が少なくなり、パドルボルトには構造上の問題がなくなった。 その結果、この形式の柱梁接合部を用いた部分架構では、必要な板厚の補強板を接合面に取り付けることにより、梁母材において十分な塑性変形が生じ、在来工法と同等の塑性変形能力を確保できた。 2）パドルボルトを用いた角形鋼管柱とH形鋼梁との接合部において、補強板の板厚の違いによる補強効果を柱·梁サイズの影響と併せて把握できた。3）本工法による柱接合面における補強板を含めた面外降伏曲げ耐力を降伏線理論に基づいた耐力計算式で概ね評価することができた。