二次元電極をもつEHD送気装置の研究（性能曲線と放電電極設置誤差の影響）

摘要

太陽熱蒸留器は単に蒸留にとどまらず，原水を濃縮する装置として利用できる可能性をももっている．この種の用途は自然ェネルギによる間欠的操作でも目的を達成できるという点で注目される．しかし，現在の太陽熱蒸留システムは，性能の低さなど，高密度エネルギに慣れた社会にとっては少なからずその利用に抵抗があるというのが実状であろう．性能向上を目指した研究が行なわれているものの，必ずしも実用化に結びついているとはいえない状況にある．太陽エネルギは面積比例型のエネルギであり，一旦取り込hだエネルギは可能な限り有効に利用することが望まれる．Gyorgy Minkらは，できる限り熱のリサイクルを行うことを目指した太陽熱蒸留器について報告しており，収量増加の方法として評価できる．この装置では空気駆動用にエアポンプを用いて，キヤリア空気の移動，および熱·物質移動の強制対流化をはかって高性能化を達成していると考えられ，エアポンプは性能向上の中心機器である．最も簡単なBasin型太陽熱蒸留器に凝縮器や多量効用ユニツ卜を付加して性能向上を目指した研究も行われている．このようなシステムに送気装置を加え，キャリア空気を循環させるようにすれば，さらに性能向上が見込める．