NAS電池システムの開発

摘要

電力需要は昼間と夜間，また季節によっても大きな差があるため，電力会社では真夏の昼間に発生する最大電力に備えて発電所や流通設備を増強する必要があった．このため，需要の昼夜間格差が大きくなるにつれ，電源設備の効率的運用が難しくなってきていた．電力貯蔵設備があれば，夜間の余裕のある電力を貯蔵し，昼間のピーク時に放出して使用することにより，電力設備の効率的運用が可能となり，設備投資が削減できる（図1）．電力会社ではピーク対応の為に揚水発電所を建設して対応してきたが，需要地近傍に設置可能な電力貯蔵設備があればより効果的な対策となる．NAS電池は，コンパクトなため需要地近傍に分散設置が可能なため，負荷平準化効果による設備投資の抑制，送電ロスの低減のみでなく，化石燃料比率の低い夜間電力の使用によるCO{sub}2の削減効果も期待できる点が大きな魅力である．