大型リチウムイオン電池開発の現状

摘要

カリフォルニア州のゼロエミッション車の促進プログラムに見られる様に，都市環境や地球環境問題の観点から，走行時の排出ガスがゼロでエネルギー効率の高い電気自動車の大量普及が待望されている．また，近年昼夜問および季節間の電力需要の較差が拡大して電力設備の利用率と効率が低下しており，その対策として電力負荷平準化が重要になっている．電気自動車はその開発が叫ばれて久しいが殆ど普及していない．従来の電池では搭載できるエネルギーの限界から一充電走行距離が短いためであり，大量普及には軽量コンパクトな高性能二次電池の開発が不可欠である．一方，電力負荷平準化には電力貯蔵装置が必要であり，ここでも二次電池が有望視されている．また，近年情報機器の大量普及によって，二次電池を使う無停電電源の需要も増加している．