色素増感太陽電池の環境発電（エネルギーハーベスティング）デバイスへの展開

摘要

もし，無線通信を介して，種々の情報を得ることができるセンサー類とインターネットの接続が可能となると，センサー類を通してあらゆる機器を遠隔操作することができる，いわゆる“インターネットにつながるもの，Internet of Things（IoT），‘もののインターネット’とも呼ばれる”の世界が可能となる．これらのセンサー類の稼働や情報通信のために，その環境下に存在する光や熱，振動などの微弱エネルギーを利用して発電することを，やや大雑把な説明ではあるが環境発電（エネルギーハーベスティング）という．環境発電には微弱エネルギー環境下での効率的な発電能力が要求されるが，色素増感太陽電池は微弱光下での発電能力が高く，近年，環境発電デバイスの一つとして注目されている．本稿では，色素増感太陽電池技術の環境発電への展開の取り組みについて紹介する．