太陽電池·燃料電池複合システムに関する研究

摘要

本論文では新しいエネルギー供給システムとして電力系統から完全に独立したPA&FCシステムを提唱し、個人住宅10軒の小コミュニティとして集合型と分散型の2種類にPV&FCシステムを設置した場合の比較を行い、システム特性の有効性を検討した。 3,003通りの集合型と分散型のPV&FCシステム設置方式についてシミュレーション結果より、Table2はPVについて、Table3は水素モジュールについて示す。 Table2は、PVアレイ面積、PV最大出力の集合型と分散型それぞれの平均値である。 Table2より、PV&FCシステムの設置方式の違いによるPVアレイ面積、PV最大出力の大きな変化はみられないことが分かった。Table3は、FC最大出力、最大水素貯蔵量の集合型と分散型それぞれの平均値である。 Table3より、FC最大出力について集合型は分散型の75％の値となった。 つまりPV&FCシステムを集合型として設置した場合、分散型よりも25％小さい定格のFCでシステムを運用出来る事が分かった。 また、最大水素貯蔵量について集合型は分散型より水素吸蔵合金内に貯蔵される最大水素量が約10％少なくできた。 つまり水素吸蔵合金の容量を小さくすることが可能であると言える。 したがって集合型と分散型のPV&FCシステムの水素モジュールを比較した場合、集合型はFC定格容量と水素吸蔵合金を分散型より小さく出来る事がわかった。 これは集合型を用いることで電力負荷が平準化され、電力不足時における水素モジュールへの依存度が低減されるためと考えられる。 以上の結果から、PV&FCシステムの設置方式は負荷電力を平準化できる集合型にすることで水素モジュールへの依存を少なくできることが分かった。 また、PV&FCシステムは独立電源で系統連系していないためエネルギーを無駄なくコミュニティに供給することができ、CO{sub}2排出量を抑えることが分かった。