究極の静電気対策用フィルター

摘要

最近，高精製度で不純物量が少なく，亜鉛を含まない環境に優しい作動油および潤滑油が広く使われ始めている。このような油を適切な方法で使用しない場合，静電気による火花放電の危険性が増し，その結果，油の劣化の促進や，バーニッシュと呼ばれる劣化生成物が発生する。静電気放電はフィルターエレメントの破損，制御弁やセンサーへの電気障害などを引き起こす。また，油タンク内での爆発の原因となる危険性もある。バーニッシュは制御弁スプールの固着やベアリングの機能不良の原因になる。また，劣化物の発生量が多い場合，フィルターエレメントの目詰まりが短期間で起こる。設備の故障リスクを低減しつつ経済的な運転を可能とするためには，劣化生成物を吸収する機能を持ち，しかも危険な静電気放電が起こることを防止するフィルターシステムを使用することが基本となる。突発的でコストのかかる油の交換は，このようなフィルターシステムを活用することによって避けることができる。