代理モデル制御則が常に成り立つモデル規範形適応制御系の一構成法

摘要

モデル規範形適応制御系(Model Reference Adaptive Control System: MRACS)は，一般に，CE (Certainty Equivalent)原理に基づいて構成されることが多い．これに対し，DyCE (Dynamic Certainty Equivalent)原理に基づくMRACSは，代理モデル制御(Surrogate Model Control: SMC)則と高階調整則(High Order tuner: HOT)を併用することで，制御誤差が可調整パラメータの変化率に依存しない特徴を有する．このため，適応速度を増加させるほど，制御誤差のL{sub}2ノルムを理論的に小さくできることが知られている．これは，CE原理に基づくMRACSにはない性質である．