体感型制御実験装置を用いた動機づけ講義とその効果

摘要

そこで著者らは，学生に理解の基礎を与えることを目的として，制御工学教育の最初に小型実験装置を用いた体験講義を導入した．この体験講義は上述の理解不足の原因を人間の理解の考察に基づいて考案したものである．また，体験講義の後に関連する導入講義も行なった．さらに，アンケート調査によって上記の一連の講義の成果を検証した．本論文では，その結果を取組内容とあわせて報告する．本論文の構成は以下のとおりである．まず2章で，著者らが直面している制御工学教育の現状と課題を示し，その課題の原因を人間の理解に基づいて考察する．その考察に基づいて，3章では本論文で実施した導入講義の内容と効果を示す．