東邦亜鉛，インジウムの生産を再開

摘要

東邦亜鉛は6月7日，希少金属であるインジウムの生産を，19年ぶりに再開すると発表した。 薄型テレビ素材などとして需要が拡大し，国際価格が2年間で約10倍に上がったため採算性が回復したことによる。インジウムの価格高騰で，インジウムをめぐる事業環境は生産を中止した当時と様変わりし，現在は主に液晶·プラズマテレビなどのフラットパネルディスプレイ（FPD）画面のガラスに薄膜を蒸着形成するITO（酸化インジウムすず）を蒸着する原材料として，おう盛な需要下にある。 国内価格も高止まりで約10万円/kg（6／7現在）という好状況下にある。 こうした中，東邦亜鉛は将来の需給動向も踏まえ，あらためて生産を開始（再開）することを発表した。 インジウムは，亜鉛鉱石中にわずかに（0.01～0.02％程度）含まれており，亜鉛の製錬工程から発生する副産品として回収·生産されるレアメタルである。 （世界全体の年間生産量は約500トンで，うち300トンが亜鉛鉱から回収される）