開閉装置技術の最新動向

摘要

電力の発生から消費に至る電力回路には，数多くの開閉装置が配置されている。 その適用電圧は数百ボルトから千キロボルトまで実に4けたの幅があり，また，その必要遮断電流も短絡電流遮断から断路，接地用途などで多岐にわたる。 そのいずれにおいても，電力の安定供給を目的に設置されていることから，開閉装置自体においても通電，絶縁，開閉等の各性能において高い信頼性を維持しつつコンパクト化や低価格化，高機能化などの時代のニーズに対応する必要がある。そのため，これら主要性能に対応したアーク現象や絶縁破壊現象などの放電に関する解明研究や磁気現象に関する解明研究，電磁界現象の応用や新材料開発などの要素技術確立研究，革新的な製品化開発などが継続的に行われてきた。 例えば，真空遮断器の遮断部分である真空バルブでは，同一定格比において約30年で容積が1/10以下にまでコンパクト化され，また，ガス遮断器の接点当たりの遮断容量も飛躍的に増加してきた。 さらに，最近では，電磁操作技術などの開発による新機能開発も活発化している。 また，開閉装置の周辺技術でも，電子化，ネットワーク化，システム化などが精力的に進展している。 今後も，これら周辺技術の進展や世の中のニーズの変化に対応した技術開発，さらには，これらニーズや周辺技術開発を牽引（けhいh）する技術革新を継続して推進し，更に利用しやすく環境に優しい電気利用社会の実現に貢献していく。