Ultra Wide Band

摘要

通信距離や伝送速度に応じた様々な無線アクセス技術が標準化されている中，近距離·大容量無線通信方式の代表としてUltra Wide Band (UWB)がある。 UWBは，既存無線システムと使用周波数帯域を共存させる超広帯域無線方式のため，既存無線システムへの干渉を抑圧するために送信出力を低くする必要があり，通信距離が10m程度の近距離通信に特化したシステムである。 UWBの変調方式として，最大480Mbps伝送が可能なMB-OFDM (MultiBand Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が提案されており，大容量データ，高精細画像／動画データなど，様々な情報機器との無線接続方式として期待されている。 三菱電機は，MB-OFDM方式に関して，標準化活動，技術開発に加えて，試作MB-OFDM装置を用いた動画伝送システムによる有効性を実証してきた。 本稿では，以下の内容について述べる。 (1) UWB (MB-OFDM)方式の特徴；(2) IEEE802.15.3a標準化活動における技術標準化に提案した“Symbol Spreading Multi-band OFDM技術”の概要と効果；(3)開発した試作装置と有効性を実証した高精細動画伝送システムの概要；(4)受信感度向上に向けた復調処理技術。 UWBは，年々増加する情報通信量や様々なアプリケーションに対して，無線接続することでストレスなく利用できる可能性を持っている。 今後も，要素技術開発，アプリケーション技術開発を通じて，様々な分野への展開を進めていく予定である。