最新のモータ制御技術

摘要

パワーエレクトロニクスの進歩に伴い，インバータを用いたモータ制御技術は発展を遂げてきた。 サーボモータ等の制御用ドライブは交流モータ方式への転換が進み，フアン·ポンプ等の動力装置の駆動においては，省エネルギーニーズの高まりから，誘導モータへのインバータ駆動の普及，さらに最近では，永久磁石モータを適用したドライブシステムの製品化が進hでいる。 本稿では，三菱電機におけるモータ制御技術開発について簡単に紹介する。 （1）永久磁石モータのセンサレス制御永久磁石モータのセンサレス制御方式として，固定子磁束を一定に制御する方式を開発した。 電流から固定子磁束を求めてこれを一定に制御するよう電圧指令を算出する簡便な方式により，センサレス駆動を実現した。 （2）誘導モータのセンサレスベクトル制御誘導モータをセンサレスでベクトル制御する方式を開発した。 適応磁束オブザーバを用いて，回転子·固定子磁束及び回転子速度を推定する。 この速度を用いてベクトル制御を行い，低速域でも良好な駆動特性が得られた。（3）誘導モータの高精度トルク制御誘導モータのセンサ付きベクトル制御において，磁束オブザーバを用いて磁束推定を行うことにより，磁束制御精度を向上した。モータ抵抗の変動に対してオブザーバをロバストに設計することにより，モータ温度変化によるトルク変化を抑圧することができた。