拡大する中国市場におけるMCBに求められる役割と動向

摘要

近年，中国市場においては，住宅取得のブームが起きており，都市部の住宅物件の有効需要は今後3から5年で20％以上の伸びが確実視されていて，価格水準も上向いている。したがって，このブームにより，住宅用の回路遮断器の需要も伸びるであろうことは容易に予測可能である。 そこで，本稿では，中国における回路遮断器(Miniature Circuit Breaker：MCB)の対応規格構成について，国家規格·地方規格等の概略を説明する。 また，その国家規格に適合する回路遮断器(MCB)の認証制度と安全認証を行う第三者機関であるCCEE，CCIBの両機関から強制認証品であり二重規制となっている回路遮断器(MCB)の現状と，最近になってこの両機関が統合されてCCC（中国強制認証）に変更されつつあることについて述べる。また，住宅におけるMCBの設置基準等の国家規格及び地方規格等からみた市場の動向，例えば，相線と中性線の同時開極可能な遮断器の設置義務，住宅のコンセント回路への漏電遮断器(Residual current operated Circuit-Breakers with integral Over current protection：RCBO) の設置義務，中国の電力事情を考慮するための過電圧保護等の概略を説明するとともに，三菱電機の製品の上記市場動向に対する対応と製品ラインアップ，今後の対応を紹介する。 拡大する中国市場に対し回路遮断器(MCB)に求められることは目まぐるしく変化しており，高機能化が進hでいる。 この流れに乗って要求事項を満足することで，中国における遮断器事業を大きく発展させることができるであろう。