食品べプチド、医薬品の生体吸収性にするPOTフアミリ一輸送体の基質多選択性

摘要

プロトン共役型ォリゴぺプチド輸送体（POT)が 担う生体へのぺプチド取り込みシステムは，微生物か らヒトを含めた高等動、植物まで，全ての生物で保存 されている.POTは1つの輸送体力ゝ'8,400種類ものジ. トリペプチド，またべプチド様構造の各種医薬品を輸 送するユニークな"基質多選択性"を有し，これは食 品ぺプチドゃ医薬品の生体吸収性に大きく関与する (図1).本研究では，出芽酵母Ptr2pをモデルとし て，POTファミリ一べプチド輸送体の基質多選択性を世界で初めて解明した.ジ、トリぺプチドのPtr2p 親和性(Ki)は48mMから0.020mMまで非常に幅 広く分布していることが明らかとなり，この基質多選 択性はPOTが生物種を越えて生体にとって"高価値" な芳香族、分岐鎖アミノ酸の高効率な取り込みを担つ ていることを示した.さらに我々は，ジペプチドライ ブラリ一の網羅的解析から得られた親和性データ群と， 基質分子を表現する各種物理化学的指標を用いること で，正答率97%のin silico基質親和性予測モデルを 構築することに成功した.本研究成果は生体吸収性に 優れた食品ペプチド素材や医薬品の開発に有用な情報 を提供する.