骨格筋の形質を決定する分子メ力二ズムの解明: 食肉の品質改良

摘要

食肉（牛肉）の肉質等級は主に，1)肉色，2)肉 のキメ.シマリ，3)脂肪交雑，4 )脂肪の光沢と色， によって評価され，その価格に反映される.本研究で は，自の予備検討などから，核内受容体および転写 共ィ-を，1)-3)を規定する因子の候補として 着目し，その分子機構の解明を目指している.応用， 実用化として，牛肉の筋形質決定因子の量や活性を調 節する成分を多数の食品製造副産物や可食草抽出物か らスクリーニングし，有効成分を多く含む自給粗飼料 や食品製造副産物を楨極的に用いることにより，高品 質な'I：肉牛庠が可能となる.加えて，耕作放棄地の活 用，M料自給率の向-.が期待できる.また食品製造副 産物屮（廃棄物）の利If]により，家畜を活用した循環型社会を目指すことを可能とする.さらに，筋形質決 定因子の遺伝子多型が新たに発見された場合，これを 指標にした育種により，優秀な種牛を得ることが1'J能 となる.これらの経済効果は非常に大きいであろう.