サトウキビ生育の極初期段階におけるバイオマス生産特性

摘要

サトウキビの初期の生長速度は他のC4植物に比べて遅く，糖収量及び原料茎童を上げるためにはその改善が重要である．本研究では，サトウキビ属（Sdcchanim spp．Hybrid，S. edule）及び近縁種（Erianihus spp.，Penniketum purpureum）を用いて極初期の生長の支配要因について検討した．調査は発芽後，2ヶ月目と本葉が7牧出るまでの2種類の時期に着目して行った．2ヶ月目の植物体を比べた場合，サトウキビ雑種KRSp93－30の茎乾物重及び葉面積は高く，茎根数の割合も高かった．しかし，葉位を7枚に固定して比較した場合，KRSp93－30における茎根数の割合は他の系統とほぼ同じであった．生育初期におけるKRSp93－30の効率的な生長は早い出葉速度と高い純同化率によってもたらされるものと考えられる．