小集会「畑作物の耐湿性に関する情報交換（3）栽培法による湿害回避」開催報告

摘要

2006年10月28日～29日に香川大学で行われた日本作物学会の第222回講演会（桶谷彰入道営委員長）において標記の小集会を行った．前回の小集会では，コムギ及びトウモロコシの耐湿性の向上に向けた近縁種の利用方法などについて情報交換を行った．今回は，まずその関連で，作物研究所の島村聡氏が「湿地に自生するツルマメを利用した耐湿性ダイズ品種育成の可能性」に関する話題提供を行った．中国には湿地に自生するツルマメがあるとされ，ダイズの耐湿性の向上のために有用な植物と考えられているが，遺伝資源の管理が厳しく入手は困難であるという．一方，日本においても過去の文献から同様のツルマメがあることが報告されている．このため，茨城県の霞ケ浦周辺を調べたところ，そのような集団があり，その生態や生育状況などが紹介された．