黒ポク土がォォムギの精麦品質に及ぼす影響一灰色低地土水田と黒ポク土畑におけるォォムギ精麦品質の差異一

摘要

黒ボタ土で栽培されたォォムギの精麦品質低下とその要因および育種上の改善策について明らかにするため， 低タンパク質品種、系統を含む複数の品種、系統を用いて，灰色低地土水田と黒ボタ土畑における原麦形質と精麦品 質およびそれらに関与する成分含量の変動を解析した.その結果，タンパク質含量と硝子率には品種間差が認められ たカ气土壌の寄与率も高く，黒ボタ土畑ではタンパク質含曩と硝子率が高くなりやすいこと力s確かめられた.また， 黒ポク土畑では搗精時間が長くなるとともに精麦白度力s低下したが，これらの品質低下は硝子質粒の増加に起因する と考えられた.また，胚乳細胞壁の主要構成多糖である^グルカンの含量は，黒ポク土畑で有意に増加した.黒ポク 土畑での搗精時間の増加には，硝子率だけでなくみグルカン含量の増加も関与する可能性が考えられた.黒ポク土に おける硝子質粒の発生抑制策としてタンパク質の低含量化が考えられた力s，低タンパク質品種、系統であっても黒ボ ク土畑では硝子率が高くなり，民間流通麦の品質評価項目に定められている硝子率の許容値よりも低く抑えることは できなかった.このことから，黒ポク土でも硝子質粒の発生しにくいォォムギを育成するためには，タンパク質の低 含量化よりも，硝子質化しにくい胚乳形質の利用力s効果的であると考えられた.