長崎県の農業　と土壌肥料 －地域の特性を生かした産地づくり－

摘要

長崎県ほ，東西213km，南北307kmの広い県域の中に，県土4，110km2を有する．県土のうち約45％ほ五島，壱岐，対馬をほじめ596の島喚で占められ七おり，海岸線の延長は4，196kmと北海道に次ぐ長さである．気候ほ，対馬暖流と季節風の影響を強く受ける西九州海洋性温和気候に属する．1月の平均気温5～7°C，8月の平均気温26～28°C，年平均気温15～17°Cであり，降水量ほ1，800～2，200mmである．降雨は梅雨期の6，7月に集中する．地質は，図1に示すとおり古生代から第三紀までの基盤岩類（結晶片岩，第三紀堆積岩）とその後噴出した玄武岩，安山岩（火山砕層岩を含む）および中生代の熔結凝灰岩，花崗岩などの風化物からなる．また，同じ玄武岩の風化土壌でもスメクタイトの含有量によりCECが異なるなど性質も複雑である．