ゥシ放牧下での遊休桑園の牧草地化： 播種牧草の定着に及ぼす播種量と裸地率の影響

摘要

近年，小規模移動放牧が普及し，耕作放棄地の畜産的利用が広がりつつある（小山ら2004 ；進藤、手島2006)。かつ て養蚕の飼料として利用され，その後放棄された遊休桑園に おいても，肉用牛の放牧による再活用が試みられている（武 藤ら2000;富永ら2004;小倉ら2008, 2016)。小倉ら（2016) は，クヮ（Mon. sp.)の樹高カリ-5mに繁茂した遊休桑園 に肉用繁殖雌牛を放牧することにより，クヮが3年間で大き く衰退することを示した。クヮの衰退後も桑園を継続的に放 牧しょうとするならば，牧草の導入による下繁植生の改善が 必要となる。すでに，マクロシードペレットによる牧草導入 とクヮ樹の剥皮による衰退化の組み合わせにより遊休桑園を 牧草地化できることを実証した報告がある（武藤ら2000; 富永ら2004)。しかし，マクロシードペレットは資材が高価 で入手しづらいため（佐藤ら2007),より簡便な方法の検討 が必要である。