中国銘柄茶産地における茶企業のブランド構築の特徴—河南省信陽市A社を事例として一

摘要

中国では，茶は農業生産の中で重要な位置を占める 主要工芸作物である.茶樹栽培面積と生葉生産量（註1)は1990年106万ha， 54万tから，2000年109万 ha, 68万tへ，さらに2013年247万ha,192万tへ と，特に2000年代に大きく增加してきた（中国農業年 ,集部（2014)).なかでも，緑茶が生産量の約70% を占めている. 近年の中国茶産地に関する研究では，茶生産の急速な発展に伴い，茶産地において生産農民（以下では茶 農）やカ卩ェ企業が増加した結果，茶農間，企業間での 栽培技術や加工技術，製品の品質のばらつきの拡大が 見られるようになり（劉、徐他（2011)),旧来からの 銘柄茶産地においてもブランド力の向上が課題となつ ていること（楊（2013)),が指摘されている.なかで も，楊（2013)はブランド力向上のために品質管理と ブランド宣伝の必要性を提示しており，また朱(2005) もブランド化の必要性を指摘している力、茶企業によ るブランド構築の実証的な分析は行われていなレ、.