食農環境のセキュリテ食料主権の確立基本的人権、人間の安全保障、文化多様性の視点から

摘要

いま私たちをとりまく存在基盤は、大きくゆらいでいる。 セキュリティがもてはやされる背景には、生活、労働、個人のアイデンティティレベルから社会、文化、地域とともに地球環境に至るまで、人間存在の根幹を突き崩す巨大な力が作用しだしている状況がある。 本稿では、全体状況の理解とともに私たちの存在基盤を再構築するための道筋として、食、農、環境を軸にしたフードセキュリティのあるべき理念と展望について論じることにしたい。