ブラジル農業の“実力”－その多様性と注目の乾燥地潅漑農業－

摘要

今年は，日本人のブラジル移住100周年に当たり，新聞やテレビでブラジルのことがいつもより多く報道されている。ただし，NHKのTVドラマ『届かなかった手紙－ハルとナツ』に代表されるように，戦前の移民の経験した苦労の思い出ばなし風のものが多いように思う。 確かに言い尽くせないほどの窮状，困難があったに違いない。 しかし，多くの日系人がその苦労を乗り越えて成果を挙げ，農業分野に限らず広くブラジルの社会経済の発展に大きな貢献をしてきたからこそ，異国のブラジルに日系人が定着して，今日では150万人以上にも及ぶ増殖を遂げることに至ったのであろう。 また現在，そのうち30万人余の日系ブラジル人が日本で働き，暮らしている。 こhなにたくさhの“親戚の人”がいるのに，日本で，ブラジルのことがあまり知られていないのは寂しい。