新しい環境保全型農業と農産物の地域ブランド化に関する研究 －兵庫県豊岡市における「コウノトリ育む農法」の取り組みを事例として－

摘要

近年，特に中山間地域における自然資源や自然環境の荒廃化を危惧し，環境保全に対する意識が高まっている．農業においても，環境への負荷を可能なかぎり低減した「環境保全型農業」に関心が集まるようになり，全国各地で様々な取り組みが行われるようになってきている．また，食の安全、安心に対する消費者の関心の高まりに対応して，有機路S制度の制定以降，各都道府県また市町村レベルでも独自の農産物の認証制度が確立されっっある．今後，このような環境保全型農業の取り組みに対応する認証制度が，消費者への安全、安心の提供だけでなく，より競争力のある農産物のブランド化，更には地域興しのための地域ブランド化を推進しうる認証制度に発展させていくことが重要な課題であるといえる．