牛の体外受精技術

摘要

食肉処理場の卵巣から卵子を採取して，体外で成熟，受精させる技術によって年間千頭以上の黑毛和種の子牛が生産されている。 卵巣の採取から培養までの技術の進展は著しい。 採取した卵巣は1日程度の保存が可能であることが示され，効率的な採取法や精子処理法が開発された。 体外で受精した卵子を胚盤胞まで効率的に発生させる技術について，低酸素の培養条件が優れていることを示した。 さらに体外受精卵を利用する時の子牛の損耗や過大子の問題とともに，生体内卵子の利用を含めた体外受精技術の新しぃ展開について解説した。