樹林性両生類の繁殖期における非樹林地への移動距離の推定 ～棚田地域におけるトウキョウサンシヨウウオの事例から～

摘要

自然親和型の農村環境の計画、整備において，生物生息に深く関与する景観構成要素の保全、復元が課題となっている。 特にモンスーン気候下の我が国の農村景観を特徴付ける水田生態系においては，水田と周囲の樹林の両方にまたがる生活環を持つ生物も多く，水田、樹林複合環境の重要性が多く指摘される。 このため，その配置関係も含めた緑地資源評価や保全計画が求められ，その際，生物生息の現況および潜在的な可能性を図化し，可視化することが効果的であり，農村環境整備においては生息適地図あるいはビオトープ図化といったものが重要になってくる。