他出子弟のふるさとへの関率実態と地域農業維持に果たず役割 －北関東中山同地域農村を対象として－

摘要

農村の過疎化、高齢化は純農村地域，とりわけ中山間地域といった条件不利地域において進行しており，地域の基幹産業である農林業の衰退，ひいては地域活力の低下をもたらしていると一般的に考えられている。 そのような局面を背景として1980年代後半から，農山村地域の活性化のツールとして都市農村交流の取り組みが全国的な広がりをみせたとされる。これは，農村が保有する個性的な地域資源に対する都市住民の需要を農村の活性化に結びつけるものであり，農村側としては，顧客としての一般都市住民を呼び込むべく，魅力的なむらづくりが求められる（農村の商品化）。 このような取り組みの成功事例は，これまで多数報告されてきた。近年，食料、農業、農村基本法にも明記され，農村政策のひとつの柱として位置づけられているところでもある。