自然エネルギーを供給する農山村の可能性と課題

摘要

2002年に，イギリスで始められたCO_2排出取引は， 全世界の年間取引量が2010年時点で13兆円になるとこ ろまで成長した。わが国では，太陽光，風力，水力，地熱， バイオマスなどの再生可能エネルギーで発電した電力の 全量を，電気事業者に一定期間，一定価格で買い取る義 務を課すという「電気事業者による再生可能エネルギー 電気の調達に関する特別措置法案」が2011年の夏に成 立した。このような制度や法律は，地球温暖化ゃェネル ギ一問題に直面するようになった現在，地球環境に負荷 をかけない資源をより多く使うための仕組みとして，検討され導入されてきた。しかし，3 、11の福島第一原発事故後，CO_2排出削減 も脱原発もという考え方と結びついて，自然エネルギー (本文では，基本的に再生可能エネルギーと同義として 用いる）の利用促進のための仕組みとして明確に位置づ けられるようになった。