中国農業の現状と農業政策の動き

摘要

表1は、中国の一人当たり食料消費動向を見たものである。 この表から明らかなように、中国では主食で腹を満たす段階は一九八〇年代に終わりを告げ、その後は畜産物や野菜、果物などの副食品消費が増える一方で、主食消費が減少する「食料消費の高度化」が進hでいる。 二〇〇三年の一人当たり米消費は七八.五キロであり、ピーク時（八四年｝の九八.〇キロに比べて一九.五キロも減少している。 小麦消費も同様に、ピーク時（九三年）の八二.五キロから二〇〇三年の六一.四キロまで、二一.一キロも減少している。 また、中国の人口増加率は、八〇年代の年率一.五％から、九〇年代の一.〇％、二〇〇〇～〇五年の〇.六％へと急速に低下しっつあり、人口増加にともなう食料消費の伸びは、もはや大きいものとはいえない。 現在の中国では、主食の米麦については、不足よりも需要の減退による過剰の発生を心配しなければならない状況にある。