芝馬場用凍結防止剤の検討 －冬の芝馬場に更なる安全を－

摘要

厳寒期の競馬において芝馬場の凍結は、寒冷妙等によるシート保温養生と午後の気温上昇により解消されてきた。 しかし、平成17年末から平成18年2月にかけて数十年来という寒波が来襲し、長期間低温状態が続き、わずかな降雨も要因となり、午後のメインレース時においても芝馬場に一部が凍結した状態のままという事象があった。 競馬開催を円滑に施行するために既存のダート用凍結防止剤を芝馬場に散布せざるを得ず、その結果、ウィンターオーバーシード（WOS）されたイタリアンライグラス（IR）と共にベースのノシバも枯死する状況となった（図1）。 そこで、安全な開催運営に寄与する為、シバに悪影響を与えず、馬体にも安全な液状の凍結防止剤の開発を検討した。