クオラムセンシングとマクロライド2

摘要

クオラムセンシングを行う細菌は細胞内でォートイン デューサ一（別名クオルモン）と呼ばれる物質を産生してい る。オートインデューサ一は，細胞内で転写制御因子に作 用して，特定のタンパク質の合成を促進する働きを持って いる力5,自分自身の細胞内で働くだけでなく，菌体外に分 泌され，それが他の細胞内に取り込まれることによって， その細胞にも作用する。細菌密度が低い環境では，細胞内 で合成されたオートインデューサ一は細胞外に拡散して細 胞内の濃度は低くなるため転写促進は強くない。しかし， 钾菌密度の高い環境では，相互にォートィンデユーザーを 環境中に分泌するため細胞内濃度が上昇し，濃度が一定以 上になったときに特定の物質が産生される。クオラムセン シングを行う細菌は多種にわたるせ,これらには共通の情 報伝達機構が存在することが明らかになつている。つまり， 同じ細菌間はもとより，異なる細菌間でもコミュニケ一 シヨンが成立しうるケースもある。今回はクオラムセン シングの機構について詳述するとともに，病原性の発現に ついても紹介する。