サッマイモトビノヽムシ{Chaetocnema confinis Crotch)の生態と防除4.成虫に対する各種散布剤の殺虫効果，ならびに圃場での 粒剤処理による塊根被害の軽減に関する予備試験

摘要

種子島では「安納ィモ」の生産面積が増加しており，商品性の向上を図っている。しかし近年， サッマイモトビハムシ幼虫によるサッマイモ塊根表皮の食害が問題となっている。本種の防除対 策を講じるためには.各種薬剤の防除効果に関する情報が不可欠である。そこで.「カンショ」で登録のある薬剤を中心とした各種散布剤の殺成虫効果を室内試験により調査した。供試した19 剤のうち，ピレスロイド剤（混合剤含む）3剤，ネオニコチノイド剤3剤，有機リン剤2剤， カーバメート剤2剤，その他の系統2剤の計12剤が高い殺虫効果を示した。加えて，粒剤処理による塊根被害の軽減効果の実証に向けた予備試験として.圃場において畦ごとに異なる4種粒剤 を土壌処理して成虫を放飼し，次世代幼虫による塊根被害を調べた。その結果.クロチア二ジン 粒剤，フィプロニル粒剤（ベイト剤），テフルトリン粒剤の3剤に被害軽減効果があることが示 唆された。