組立て式蹄病治療枠の試作

摘要

患牛と施術者にとって安全で，確実に蹄病処置できる組立て式蹄病治療枠（治療枠）を試作した。この治療枠は牛床内でカンヌキあるいは柱を利用し，牛体を挟み込み動けないように保走した後，滑車を用いて患肢を挙上保志するものである。治療枠の構成は，鉄製角パイプを5種類7本のパーツに加工し，それぞれをはめ込み（5カ所），ロープ固定（2カ所）できるようにした。治療枠を使用して治療を行ったのは51症例であり，その内訳は蹄底潰瘍が44例，症状皮膚炎が2例，白帯痛が2例，址間腐欄が3例であった。蹄底潰瘍のうち2例が前肢であった。いずれの症例も確実な保走ができ，安全に蹄病処置が可能であった。