細胞接着／細胞骨格とシグナル伝達を制御する蛋白質SH2（Src homology 3）領域を3つもつ新しい遺伝子ファミリーピネキシン，CAP／ボンシン，ArgBP2

摘要

多細胞生物が個体として生命を維持していくためには，様々な環境の変化や刺激に対して個々欄砲か適切な応答を行ない，しかも－その応答を他の細胞と協調させて行なうことが必要である.この協調した細胞の応答には増殖針子なとの液性因子と，細胞一紙胞外マトリクス間あるいは紆胞瀾胞間の接着（細胞接着）が重要な役制を果たしている.この2つの因子の組合せにより細胞の増殖－分化の方向性か決定され，あるいは細胞周期が制御される.これらの因子の異常は，細胞に無限増堰性や足場非依存的な増殖能を与え，細胞を癌化させる．また興味深いことに，増殖因子シグナルは細胞接着とそれに伴う細胞骨格の形成を制御し，逆に細胞接着／細胞骨格は増額因子シグナルを増強あるいは抑制する．つまり，2つの因子は互いに制御しあう．したがって，増靖因子シグナルと細胞接着／細胞骨格を包括的に理解していくことが,細胞の様々な挙動や噂化のメカニズムを解明する上で必須である．