西アフリカ、サヘルに適したカウピー遺伝資源の評価と活用: 2．サヘルの低肥沃度砂質土壌条件下におけるカウピー遺伝資源の評価

摘要

カウピー（Vigna unguiculata）は乾燥条件に強く、低肥沃度条件にも良く適応できる数少ないマメ科作物であるために、西アフリカの半乾燥地帯で栽培されている最も重要な食用マメ科作物である。特に年間降水量が500mmを下回る西アフリカ、サヘルの農牧混交地帯では、子実部分が食用となるばかりでなく、茎葉部分が栄養価の高い家畜飼料となるためにその重要性はさらに高い。 著者らの研究は、西アフリカ、サヘルに適したカウピー品種が具備すべき特性の解明とそれに基づいた品種選定を通じて、当該地域でのカウピー生産の向上、安定化に貢献することを目的としている。 本報では、サヘル帯に拡がる低肥沃度な砂質土壌下において、西アフリカ起源のカウピー遺伝資源の子実、茎葉部のバイオマス生産能力、N、P吸収量、利用効率等を評価したので、その結果を中心に報告する。