徳尾真砂弘が語る中国鉢秘話-現代の名工、馬金旺、 岩崎大藏氏との不思議な

摘要

馬金旺(陶号、錦旺)氏は、宜興市で花器の制作を手掛けた陶芸家である。陶家に生まれ、実兄の馬金林氏に陶技を学びその才能を開花。中国国内の陶芸家で競うコンテストで大賞を複数回受賞し、^年に宜興市寶山工芸陶瓷廠有限公司の技術顧問に就任。後に「中国紫砂芸術大師」の称号を国家から授けられた名工である。大師とは、多大なる業績を挙げて万人から評価を受ける芸術家や学者に与えられる称号で、中国政府もしくは宜興市政府によって認定されるもの。その中でも「中国紫砂芸術大師」は最高級と認められる地位であり、日本における人間国宝クラスとの評価と言えよう。馬氏が制作した作品は中国で最初に建設された陶磁器専門の博物館である中国宜興陶瓷博物館、さらに南京博物館など多くの博物館に収蔵されるなど、名品として高く評価されている。