水資源基本問題研究会「21世紀の持続的水活用社会形成に向けて」の提言の概要

摘要

国土庁水資源部長の私的な研究会である水資源基本問題研究会（座長：虫明功臣東大教授）は、平成10年2月9日、「21世紀の持続的水活用社会形成に向けて」の提言を発表した。 この提言は、21世紀に向けて社会、経済の持続可能な発展を支える水資源開発、管理のあり方について、「流域における健全な水循環系の確保」を基本理念として、その実現方策を検討したものである。 提言でほ、まず、第Ⅰ章で「21世紀の水資源を取り巻く社会像」を想定した上で、第II章において、「健全な水循環系の創造」として、（水を大切に使う循環型社会）（量のバランスと質の向上）（自然環境との共生）（行政と地域住民との協力）（機能性基準と各部門間の連携）といった理念を述べた。 さらに、第Ⅲ章の「水資源政策の方向性」において各種問題を解決するための施策について論じた。 あわせて、人と水との接点の在り方について、水の文化的機能の見直しという観点から問題提起を行った。 最後に、第Ⅳ章において、それらの施策を実行するための「水資源政策を支える仕組みの整備」について論じた（図一1参照）。 ここでは、紙面の制約上、第三章及び第四章の概要を紹介する。