ヤンバルクイナの発見から命名まで

摘要

1978年，沖縄島（沖縄本島）北部山地で新種の鳥と遭遇した．それから3年後の1981年に生け捕りに成功し，同年12月にヤンバルクイナという名前で発表した．59年ぶりの新種発見であったことからマスメディアに大きく取りあげられ話題となり，ヤンバルクイナの名前が一般の人々にも広く知られるようになった．ヤンバルクイナは森林棲のクイナ類で，飛翔力が弱く，沖縄島北部山地にのみ生息している．近縁な種類はフィリピンを中心にした地域に生息するムナオビクイナで，南部周縁地域には本種により近い特徴をもつ亜種が生息している．ヤンバルクイナは，発見以後23年経過しているが，沖縄島北部山地以外の場所からはまだ見つかっていない．