トランスジエニックカイコを利用したシルクの改変技術の現状と今後の動向

摘要

トランスポゾンを用いたベクターと卵にDNAを注射 する方法により、簡単にトラスジヱニックカイコ力s作 れるようになってから10年余り力s経ちました。この間、 カイコにいろいろな遺伝子を導入して発現させ、遺伝 子機能の解析が行われてきました。応用面では、医療などに用いる組換えタンパク質のカイコによる生産や これまでにない性質を持つ新しいシルク力s作出されて きました。特にシルクの改変では、カイコのフイブ口 ィン遺伝子を利用した発現系が開発され、クラゲゃィ ソギンチヤクなどの蛍光夕ンパク質の遺伝子をフイブ 口インに組み込むことによって蛍光を発するシルクが 作られています。また、野蚕のフイブ口イン遺伝が導 入された例や、クモの遺伝子を導入してこれまでにな い強いシルクを作ろうとした研究があります。変わつ たものでは、特殊なァミノ酸配列をコードする遺伝子 の導入により繊維を細くし、強度を上げたシルクなど が作られています。また、特殊な用途としては、細胞の接着性を高め人工血管などの医療素材としての利用 を試みたものなどがあります。