東南アジアにおける鳥インフルエンザの流行とJICA家畜衛生広域プロジ工クトの協力

摘要

2003年から2004年の冬季間、高病原性鳥インフルエンザ（Highly Pathogenic Avian Influenza：HPAI）が中国、東南アジアだけでなく、日本、韓国、パキスタン、アメリカ合衆国といった広い地域で発生し、経済面だけではなく公衆衛生面からも一大問題となったのはまだ記憶に新しい。 とくに東南アジアにおける今回のHPAIは夏季になっても再発生を繰り返しており、なかでもタイとベトナムでは2004年9月になって新たな死者をだすなど、東南アジアにおけるHPAI問題は深刻化している。 このような情勢の中、2001年12月から5年間の予定で開始した標題のプロジェクトは、この地域におけるHPAIの防疫活動についても、様々な分野に関与しながら協力括動を展開してきた。 そこで、HPAIをめぐる地域の状況を紹介するとともに、鳥インフルエンザと本プロジェクトとの関わりについて－も述べてみたい。