凍結精液流通管理の電子化の試み

摘要

和牛は日本固有の肉用牛品種であり、高い 脂肪交雑を特徴とする優れた肉質は、国内外 で高く評価されている。一方、過去に海外に 流出した和牛の凍結精液や生体を利用して、海外で和牛交雑種力-生産されている現状も考慮すると、和牛遺伝資源を日本の財産として 守り、国際競争力を保つ必要がある。 和牛凍結精液の流通管理を厳密化し、海 外への流出を防止するという観点から、農林 水産省の農業競争力強化対策民間団体事業 の一つとして、和牛凍結精液等流通管理体制構築推進事業が平成19年度から5年間に わたり実施された。岐阜県畜産研究所は、本 事業の地域モデル事業を受託した京都大学と 共同で、先進的技術を導入した和牛凍結精 液流通管理システムの開発と実証試験に取り 組hできた。本取り組みの概要について紹介 する。