肺アスペルギルス症診断における喀痰ガラクトマンナンの有用件

摘要

侵襲性肺アスペルギルス症（Invasive Pulmonary Aspergillosis：IPA）は，血液悪性腫瘍患者をはじめとする易感染性宿主においては致死的な合併症となりうる。IPAの診断は病状が進まないとAspergillusが培養で陽性となりにくいため時間を要する。 最近では，幹細胞移植患者において気管支肺胞洗浄液（BAL）中のガラクトマンナン（？ M）抗原が』Aspergillusに対して高い感度と特異性を有することが報告され，IPA診断に血清やBAL中のGM抗原が用いられるようになっている。 しかし，気管支肺胞洗浄は比較的侵襲性が高いため，患者の状態によっては施行困難な場合がある。そこで，今回，我々は喀痰中GM抗原のIPA診断における有用性を調べ，BAL中GM抗原の代替え法となりうるかどうかを検討した。