当院で分離された尿由来緑膿菌に対するcarbapenem系薬およびfluoroquinolone系薬を中心とした薬剤感受性

摘要

1998年1月から2004年5月までの間に，当院で分離された尿由来緑膿菌97株の抗緑膿菌薬8剤に対する薬剤感受性を調査し，以下の成績を得た。 1．尿由来緑膿菌97株に対する検討8薬剤の抗菌力は，biapenem（BIPM）＝meropenem（MEPM）＞ciprofloxacin（CPFX）＞imipenem（IPM）＞pazufloxacin（PZFX）>amikacin（AMK）＞ceftazidime（CAZ）＞piperacillin（PIPC）の順で優れていた。 2．carbapenem系薬の耐性率（中間＋耐性）は，BIPMとMEPMがそれぞれ10．3％，IPMが13．4％であった。 IPM耐性株の多くはBIPM，MEPMにも交叉耐性を示していた。 3．nuoroquinolone系薬剤の耐性率（I＋R）は，CPFXで23．7％，PZFXで20．6％であった。 4．IPM>=16pg/mL，CPFX>=4ug/mL，AMK>=32ug/mLに同時に耐性を示す株は1株みられ，IMP－1型metallo β-lactamaseを産生していた。 当院における尿由来緑膿菌は，fluoroquinolone系薬に耐性化が進hでいた。 今後の動向への注意と，抗菌薬適正使用の啓発ならびに耐性菌の監視が重要である。