産業機械用軸受商品：新·高負荷容量円筒ころ軸受の開発－EW（鋼板保持器付）·EM（銅合金もみ抜き保持器付）シリーズの開発

摘要

円筒ころ軸受は，玉軸受よりラジアル負荷能力が大きく，他の形式のころ軸受より高速回転に適していることなどから，多くの産業機械に使用されている．産業機械では，耐久性·信頼性の向上，小形·軽量化，高効率·省エネルギー化，あるいはメンテナンスフリー化が進展しているが，そこに使われる転がり軸受には，長寿命で信頼性が高い軸受が要求される．この要求に対応するため，NSKでは，軸受の負荷容量を従来軸受より20％～30％アップすることによって寿命を約2倍に延長した，新しい円筒ころ軸受シリーズを開発した．この新シリーズには，鋼板保持器付のEWシリーズ（写真1）と，銅合金もみぬき保持器付のEMシリーズ（写真2）とがあるが，どちらも保持器の高強度化設計を行い，使用時の振動·衝撃に強いタフな軸受となっている．また，保持器のころ案内部を高精度化することによってころの回転姿勢を安定させ，従来より音圧レベルで約5dBの低騒音を達成した．本報では，機械の耐久性向上や小形化に貢献し，低騒音という最近の環境ニーズにも対応できる高負荷容量円筒ころ軸受（EW，EMシリーズ）ついて紹介する．