割り箸が、日本の森を救う

摘要

近頃、割り箸をめぐる情勢がかまびすしい。国内需要の97％を占める中国が割り箸の輸出を禁止するという情報が流れたり、使い捨ての翻り箸が森林を破壊しているといわれて、〝マイ箸″人外食時に自分の箸を持ち歩くこと）運動が広がっている。そうした風潮に違和感を覚え、私は割り箸の現状について調べてみた。 本当に、割り箸を使うのはもったいないことなのか？ その結果わかったのは、割り箸に関して世問に流れる情報は、あまり正確とは言えないということだ。 中国の木材消費量に占める割り箸の割合はわずか0.016％にすぎず、材料となるシラカバやポプラは、合板やチップ用にも伐採されている。しかも割り箸生産量の4潮は中国内で使用されているため、日本の需要の増減が中国の森林資源に与える影響は小さかった。 そして最近、木製に代わって増えてきた竹製割り箸は、漂白と防腐処理を行っているという別の問題点も見え隠れする。